公演タイトル「悪嬢転生」。普通に書いても字面そのものが強烈な印象を与えるパワフルなタイトルです。Juice=Juice卒業後の宮本佳林さん、ソロ初の主演舞台という新たな挑戦のステージでもありました。「大人の透明感」に「美しい毒味」を感じさせるメインビジュアルを意識しました。
タイトルロゴも同コンセプトで作り始めたのですが、タイトルがストレートで、ちょっとした線の歪みやモチーフの傾きなど、油断すると下品さや意地悪さがデザインに乗っかってきてしまうのが苦労した部分です。その点は細心の注意を払って構築していきました。
ガラスの靴はCGではなく美術です。重量のある本物のガラス製の靴でしたので、撮影中、このポーズを完璧に取り続ける宮本佳林さんのプロ魂には感服いたしました。
公演パンフレットは4つの役柄に扮した宮本佳林さんの写真を中心に構成しています。デザインモチーフは絵画調、イラスト調など「手描き感」のあるものを中心にレイアウトし、ビジュアルブック的なパンフレットとなりました。表紙はクライアントの意向もあり、2パターンのメインビジュアルを配置。最近はメインビジュアルがweb公開のみとなる事が多いので、パンフレットで全てのビジュアルを実紙で得ることができるのは、紙派の方々には喜ばしい事かもしれません。
コンセプトムービーは、「悪嬢」に「転生」してしまった”令嬢の憂い”をテーマにしています。シズルで捉え、スローモションでフィルム映画のようなテイストで表現しました。ピアソラ的なアルゼンチンタンゴが、ある時代の香港映画の色っぽさを醸し出していて、今回の宮本さんにとても似合うものになったかと思います。